在学生の学び

入学前に観光の勉強と聞いてイメージするのは、接客など仕事の現場に直結するような授業でしたが、入学してみると「観光とはどんな現象か」を学問的に考えるのが大学という場所でした。「観光概論※」で毎回違う専門領域の先生の講義を受けるうちに、観光がいろいろな分野と関連していることが理解できたのと同時に、自分の関心が向いているのは、将来働くときのベースになりそうな心理学やビジネス系の領域であることもわかってきました。
これからは観光の多様性と、それらをどのようにビジネスに結びつけられるかを考えていきたいです。例えば、自分は都会育ちなので気にしたことのなかった地域振興も、ビジネスとの接合という点で興味を持ち始めました。観光の可能性についてもっと学び、体験を重ね、自分自身の選択肢を増やしていきたいです。
(※ 2020年度から「観光学概論」として開講されています)
祖父母が町家の保全という形でまちづくりに関わる様子を見て育ったこともあり、まちづくりをどのように観光に活かせるかについて知りたくて、観光学部に入りました。
所属するゼミのテーマは「歴史的な街並みを用いた観光とまちづくりについて」で、私の疑問にぴったりでした。ゼミ活動のなかで景観や建築などにも興味を持つようになり、世界観が変化しました。同時に、学べば学ぶほど観光の複雑さと難しさが見えてきます。ある面から見てよいことも視点を移すとよくなかったり、正解がないのです。だからこそ、私はぶつかっていきたいと思います。先生や仲間や、現場に携わる人たちのちょっとしたひとことのなかに、問題を解決する糸口があるのではないかと感じています。たくさんの人の意見や思いを知ることで、この先自分が何をしたいか考えるヒントも見つけられそうです。
過去の学生の声を見る
  • 外国の文化に興味があり、
    観光学部への進学を決めました。
  • 観光学科
    天木 柚里さん
高校1年生の時に、自分が行きたい国のツアープランを考えて発表するという課題が地理の授業であったのですが、この課題に取り組んでいくうちに、自分の学びたい学問が観光学であることに気づきました。これが立教大学観光学部に進学した大きなきっかけです。
もともと外国の文化にも興味があり、大学入学後は何らかの海外研修に参加したいと考えていました。そうしたなか、国外の事例を実見しながら、観光の実状や観光化に伴って発生する課題について学ぶ「早期体験プログラム」の存在を知り、観光学部ならではの貴重な学習機会になると考え、参加を決めました。
早期体験プログラムは事前学習が充実しており、訪問先であるカンボジアのアンコール遺跡群の修復状況などについて学びました。そこでカンボジアの遺跡修復に日本が深く関わっていることを知り、現地ではこうした点にも注意しながらフィールドワークを行うことができました。
  • 1年次からの
    海外フィールド体験が
    卒業論文に結実しました。
  • 交流文化学科
    奥原 彩加さん
卒業論文では、日本人の海外移住と観光産業の関係に着目し、カンボジアのシェムリアップで聞き取り調査を行いました。現地では、観光産業に携わる日本人に焦点を当て、彼らがなぜそこへ移住し、観光とどのように関わることで生きていこうとしているのかについて考察しました。
このテーマへたどり着くまでには、ふたつのターニングポイントがあります。ひとつめが1年次に参加した「早期体験プログラム」です。このプログラムに参加してミャンマーを訪れたのですが、そこでは、常識や先入観といったフィルターをとおしてではなく、実際にフィールドで得た見聞から物事を理解することの大切さを学びました。
ふたつめのポイントがゼミ合宿です。3年次のゼミ合宿でシェムリアップを訪問し、日本人移住者の方々に出会いました。フィールドワークを行いながら、理想の人生を追い求める彼らに「生きる場」を与えている観光の存在って何なのだろう、という疑問を抱き、それが卒業論文「理想の人生をめぐる移住」を執筆するきっかけとなりました。
また、3年次と4年次の間には、学部間協定を利用してタイのタマサート大学へ留学しました。観光学部で学ぶことで、私の可能性は大きくふくらみました。