教員の研究紹介①
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- 門田 岳久 交流文化学科 教授
- Kadota Takehisa
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- Profile
- 東京都立大学人文学部社会学科卒業、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻文化人類学コース修士課程修了、同博士課程単位取得退学(課程博士号取得により修了扱い)。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員(PD)、立教大学観光学部助教を経て現職。 研究者情報
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視点としての観光:
流動する文化を捉える宗教が求心力を失う一方、現代では聖地巡礼やセラピーなど「宗教的」な経験が求められ、市場を介して消費されています。私は文化人類学・民俗学の観点から、沖縄の聖地、四国巡礼などの研究を行ってきました。聖地は文化遺産となることで「信仰なき巡礼者」で賑わっていますが、このように現代宗教の変容を読み解くには観光や商品化というのは重要な視点なのです。他にも私は、過疎地域における廃校舎や博物館の再活用と住民参加型開発に、アクションリサーチと呼ばれる実践的な研究手法で取り組んでいます。ゼミでも聖地観光、フィールド写真、移住、戦跡、新しい農業などに関する調査実習を行ってきましたが、何でも観光対象になりうる時代においては、何を対象にするかよりもどのように捉えるかという方法が大事です。ゼミでは映像表現や写真展示などを筆頭に、人類学や民俗学が培ってきたエスノグラフィーの観光研究への応用を試みています。
著作の紹介-
- 〈人〉に向きあう民俗学
- 門田岳久・室井康成編
(森話社、2014年)
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- 巡礼ツーリズムの民族誌―消費される宗教経験
- 門田岳久
(森話社、2013年)
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- 現代宗教とスピリチュアル・マーケット
- 門田岳久(分担執筆)、山中弘編
(弘文堂、2020年)
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