お知らせ

交流文化学科に久保忠行教授が着任されました

2024.4.15

2024年4月1日付で観光学部交流文化学科に久保忠行(くぼ ただゆき)教授が着任しました。

久保先生に研究内容や学生へのメッセージを語っていただきました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【研究内容】

文化人類学の観点から、人の移動がつくる社会関係や文化の動態、ネットワークについて研究してきました。研究対象は東南アジアのミャンマーを出身とする難民です。人びとの移動先はタイ、アメリカ、オーストラリア、フィンランドなど世界の各地域に及びます。各地に移動する人びとが、ホスト社会の人びととどのように関係をつくりながら、居場所や社会を創ってきたのかを考えてきました。私の研究の入り口は、「難民観光」ともいえるカヤン民族を対象としたエスニック・ツーリズムです。観光も難民も人の移動に着目するという点で、ひとつの連続したテーマだと考えています。

 

【学生へのメッセージ】

テクノロジーの進化はめざましく、10年後、どんな時代になっているのか予測できない部分もあります。生成AIをいかに利用するのか、という点は今まさに問われている課題だと思います。機械翻訳の技術の向上は、将来、外国語を学習することの意味を変化させると思います。またAIに聞けば色々なことを「それらしく」教えてくれます。現在は途上ですが、時間が経過すればもっと正確で的確な情報を教えてくれるようになるでしょう。

でもAIが教えてくれないことが一つだけあります。それは、何をどう聞くのかという切り口=視点=問いの立て方です。最初の問いがなければ、生成AIも使えません。最初の質問が冴えないものなら、AIの回答もぱっとしないものになります。また情報が多すぎるからこそ、かえって自分が何を求めているのかがよく分からなくなる時代だと思います。だからこそ「答え」を求めがちになります。しかしむしろ大切なのは「問い」です。大学での学びをとおして「問いの立て方」を身につけてほしいと思います。「問い」こそが創造の源になるからです。