研究紹介
交流文化学科の門田岳久准教授の単著が刊行されました
2023.12.5
交流文化学科の門田岳久准教授の2冊目の単著『宮本常一 〈抵抗〉の民俗学―地方からの叛逆』が刊行されました。本書は民俗学者・宮本常一が離島で展開した文化運動を事例に、戦後日本の国土開発や離島振興を捉え直すものです。資本主義や観光開発に消費されない自立的な地域を打ち立てるために離島の人々がどう抗ったのか、フィールドワークや膨大な資料から跡づけながら、オルタナティブな社会デザインを目指す「抵抗の民俗学」の可能性を探っています。
ぜひ手に取ってご覧下さい。
『宮本常一 〈抵抗〉の民俗学―地方からの叛逆』 |
著者 門田 岳久 |
出版社 慶應義塾大学出版会 |
発行日 2023/8/31 |
価格 3,300円(税込) |
ISBN 978-4766429039 |
(写真:慶應義塾大学出版会)
全体の構成
序章 島の遅れと文化運動
第1章 島をめぐるまなざし——学術・観光・地元
第2章 民俗学と「文化工作」のあいだ——宮本常一イントロダクション第3章 「離島性」の克服——地域開発をめぐる宮本常一の思想的変遷
第4章 速度と身体性——フィールドワークの移動手段と見える世界の拡張
第5章 博物館と住民参加――「佐渡國小木民俗博物館」にみるローカルな文化運動
第6章 鬼太鼓座と幻の大学構想——日本海からの叛逆
第7章 自前の生活——佐渡空港建設をめぐるデモ・水・自己決定
第8章 三里塚から佐渡へ——ある運動家における民俗学的実践と〈父〉
第9章 モノを介したソーシャルデザイン——美大教員としての宮本常一と民家調査
結論
また本書の成り立ちや狙いについて、慶應義塾大学出版会のnoteに門田准教授が執筆したエッセーもあわせてご覧下さい。
【著者書き下ろし寄稿】宮本常一は地方といかに向き合ったのか(門田岳久)