研究紹介

野原克仁教授の研究プロジェクト最終報告書・書籍が刊行されました

2025.4.15

2020年より野原教授がサブテーマリーダーとして参画していた独立行政法人環境再生保全機構「環境研究総合推進費」のプロジェクト(研究課題:「気候変動影響予測・適応評価の総合的研究」プロジェクトリーダー:三村信男茨城大学特命教授)が2025年3月をもって終了し、その研究成果をまとめた最終報告書と書籍が刊行されました。

野原教授は、同プロジェクトにおいて「気候変動による自然災害がもたらす影響および適応策に関する経済評価手法の開発」に取り組みました。

 

最終報告書:

以下のHPに掲載されています。

https://adaptation-platform.nies.go.jp/external/s-18/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

書籍:

Mimura, Nobuo and Satoshi Takewaka eds., Climate Change Impacts and Adaptation Strategies in Japan: Integrated Research toward Climate Resilient Society. Springer, 2025

野原教授は第22章(Determinants of Farmers’ Strategies for Adapting to Climate Change)を執筆。

以下のURLから無料ダウンロードすることができます。

https://link.springer.com/book/10.1007/978-981-96-2436-2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【野原教授によるコメント】

近年の気候変動による豪雨、酷暑などの問題が深刻さを増していることは、多くの人が実感していると思います。将来、気候変動がさらに深刻化すると今以上に自然災害が激甚化し、農業や製造業に大きな影響を及ぼします。すると、観光産業に深くかかわる農産物、工業製品が供給されず、地域の観光は衰退してしまう可能性があります。また、高温は人々への健康被害を、災害の激甚化は停電を引き起こします。こうした諸問題に対し、最終報告書では、自然災害の影響および適応策の重要性について経済学の視点から分析しています。書籍については、私が執筆した第22章で、農家の経営リスク分析を行い、農業経営が直面する気候変動の経営リスクの要因を明らかにし、経営リスクと適応行動の関係を分析しています。観光において食は重要な要素であるため、農家が最適な適応策を選択・導入し農業の持続可能性を高めることは非常に重要です。

気候変動は、観光活動に大きな影響を及ぼす重大な問題です。持続可能な観光を考える上で参考になることが沢山掲載されていますので、是非ご覧ください。