研究紹介

観光学科の西川助教の論文が受賞しました

2020.5.7

観光学科の西川亮助教が、日本都市計画学会の2019年 年間優秀論文賞を受賞しました。

論文のタイトルは、「戦後旧都市計画法下における熱海市の風致地区を巡る議論と運用に関する研究−市議会での議論経過を中心に」です。

論文はJ-STAGEで読むことができます。

 

学会ウェブサイトに掲載された受賞理由は以下の通りです。

本論文は、熱海市を対象に市議会議事録を中心とした史料の精緻な分析にもとづいて、旧都市計画法下において戦前期に指定された風致地区を巡って、戦後どのような議論が展開され、運用されてきたのか、具体的な観光開発の事例を取り上げながら整理し、民間の観光開発圧力によって風致地区指定範囲が変更されていく過程を詳らかにした論文である。評価できる点として第一に、公文書開示請求によって入手した1947年から1974年に至る市議会議事録を全て閲覧、重要発言を全て抽出したうえで、風致地区行政を巡る議論や運用の実態を丁寧に分析している点があげられる。第二に、熱海市を対象とした分析にとどまらず、風致地区行政における今日的な課題にまで踏み込んだ考察がなされた結果、今後の観光地における市町村主体の風致地区行政に対する示唆を得ている。