活動の報告

西川ゼミの学生が埼玉県知事と意見交換会を行いました

2024.12.17

2024年11月8日、立教大学新座キャンパスにて、大野元裕埼玉県知事と観光学部の西川亮准教授(都市計画とまちづくり)のゼミ生による意見交換会が行われました。この取り組みは埼玉県と立教大学との包括連携協定に基づく連携推進の一環として2023年から開催され、若者の意見を政策に提言する機会となっています。

 

大野県知事、西原廉太立教大学総長によるご挨拶の後、西川ゼミの学生が4つのグループに分かれ、それぞれ「水海(みずうみ)ステイ~水上ホテルから埼玉まちめぐり」(4年生)、「ウォーターぷらっとフォーメーション~大学生×埼玉の水辺×チームビルディング」(3年生)、「沼にぬまれ!?沼博」(2年生)、「知って、育って、とめ学徒」(2年生)をテーマに発表しました。

 

大野知事からすべてのグループに対して、政策を実現させるにあたっての質問があり、学生も自身の考えを述べる意義深い時間になりました。

 

 

大野県知事によるご挨拶

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大野県知事、西原廉太立教大学総長らとの記念写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4年生チームによるプレゼン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【発表した学生のコメント】

私たち4年生は「埼玉県の水辺を活用した観光振興」をテーマに、約5ヶ月間プランを練り、「水海ステイ~水上ホテルから埼玉まちめぐり」というプランを埼玉県に政策提言させていただきました。埼玉県の水辺に関する取り組みの中で、調節池の取り組みが少ない現状にあったことや、埼玉県の観光課題として宿泊消費単価が低いところから、調節池を含む池や湖に着目し、宿泊できる仕組みを考案しました。内容としては、アルベルゴ・ディフーゾから着想を得て湖上にテントを浮かべて宿泊していただく水上ホテルです。滞在中には、地域内にある食事処や温泉施設を利用していただきます。そうすることにより、周遊観光を促進し、将来的には埼玉県全体へ水上ホテルを展開させ、観光消費額の増加を見込むことができます。

 このようなプランの完成までには、多くの苦悩がありました。しかし、集大成として仲間と共に作り上げてきたこの5ヶ月間は思い出に残るものでした。沢山の議論や調査を通じて、最終的には自分たちが満足できるプランになったと実感しています。貴重な機会を設けてくださった、先生や県の職員の皆様にはお礼申し上げます。ありがとうございました。

 最後に、プランの完成までには、お忙しい中、県の観光課の方に何度かお越しいただき、アドバイスをしていただきました。この場を借りて、重ねて感謝申し上げます。

水海(みずうみ)ステイ~水上ホテルから埼玉まちめぐり担当 宮川韻)

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私たちのチームでは、チームビルディングというテーマで、ゼミでプロジェクトに取り組んでいる大学生に対し、埼玉県内の鉄道4路線周辺の多様な水辺資源を活かした提言を行いました。

私たちは、普段一つの市や場所に焦点をあてて活動を行っているため、場所によって特徴や資源が全く異なる県全体を活かすためにはどうすればよいかという点に苦労しました。

そこで、GISを用いて県全体の水辺資源や、地形の特徴を地図に落とし込んでみたり、埼玉県の水辺再生100プランを分類分けすることで段々と県全体の大まかな特徴をつかんでいきました。

テーマ決めにも苦戦しましたが、テーマ決めの長い議論があったからこそ私たちのように話し合いで困る大学生が一定数いるのではと気づき、最終的にチームビルディングというテーマに帰着できました。

本案では、形成期、混乱期、散会期というチームの3つの期に合わせ、地域資源を用いてチームビルディングを形成できるプランとなっております。

特に、意見のぶつかり合いが生じる混乱期には、プランを行う時間を1番確保し、意見のまとめ方を学べるコンセンサスゲームを全ての路線のプランで取り入れるなどの工夫をいたしました。

本経験を活かし、埼玉県での観光まちづくりについてより真摯に考えてまいりたいです。

ウォーターぷらっとフォーメーション~大学生×埼玉の水辺×チームビルディング担当 齋藤青葉)

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日本農業遺産のことも、埼玉県にそれがあることも、この政策提言をするにあたりはじめて知りました。観光活用について検討する中で、滑川町をはじめとした対象地域2市5町でフィールドワークを行い、「比企丘陵の天水を利用した谷津沼農業システム」の現状と魅力を実感しました。このシステムがこれまで存続してきたのは、地域の人々の努力があったからであり、地域の人々がつくってきたこの遺産をもっと多くの方に知ってもらいたいと、私は考えています。また、古くから地域に伝わる農業システムを次世代に残していくことに加え、私たちがフィールドワークを通して分かった地域課題を解決し、魅力を活かせるプランを目指して議論を重ねてきました。その中で、それが本当に地域に必要なことなのか、県に提案するものとして適切なのかと悩むこともありましたが、メンバーと意見を出し合い、良いプランを考えることができたと思います。私は今回の政策提言までの活動を通して、埼玉県にはまだまだ知られていない魅力が眠っているのではないかと考えました。そのような魅力を引き出し、観光活用という形で発信していきたいです。そうすることで、埼玉県がさらに魅力にあふれる県になっていくことを楽しみにしています。

沼にぬまれ!?沼博担当 柳瀬望琉)


 

 

 

 

 

 

 

 

 

2年生チームによるプレゼン

 

 

初めに世界農業遺産と聞いた時は、名前すら分からず、どんな遺産なのか、この農法の魅力は何なのか?ということから調査をし始めました。対象地域にはチームとして、計10回ほど訪れ、市役所や町役場の方々、農家の方々からお話を伺い、この農法を観光活用するにあたって、課題は?魅力は?どのような提案があれば解決するのか?と頭を悩ませました。9月以降になると、週に2~3回はZoomを繋げ、深夜まで議論を続けていました。初めは、全く知らなかった落ち葉堆肥農法でしたが、半年間かけて必死に考え、議論してきたことで、どんどんとこの農法を自分事のように捉え始めました。

今回、私たちが埼玉県知事に提言したのは、農業従事者が血縁以外の理由でも農法を続けたいと思える地域を目指すことを目的に、落ち葉堆肥農法が持っている多様な魅力を単発プラン、通年プランを通して、伝えていく提案。座学ではない体験型の学びを通して、参加者の認識を育み、地域にこの農法を守りたいという共通認識を育てていくというものでした。メンバーの中でも、参加者に何を伝えたいのかと言うところで意見が割れ、最終的に2軸のプランにすることで、より広いターゲットが見込めるのではないかと考えました。

このような、グループで議論を重ねて、1つの提案を出すという経験が初めてだったため、意見が対立して、うまく進まないこともありました。しかし、半年間かけて深く関わり合ったゼミ生とは、お互い信頼できるようになったと思います。今回、このような埼玉県知事に提言するという貴重な機会をいただき、ありがとうございました。このプロジェクトで培った力を今後の学業に活かしていきたいと思います。

知って、育って、とめ学徒担当 山﨑琴葉)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2年生チームによるプレゼン